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M&Aは想定外の出来事が発生することが多く、
スケジュール通り進まないことが多々あります。
特に当局、銀行や労働者との関係の手続きの場合、
当初予定しなかった手続きが必要になる場合があります。
クロージングが伸びてしまった場合、何をすべきか?
ということですが、
買い手側であれば、
かかる期間を利用して、買収後の経営統合(PMI)プラン
を綿密に練ったり、
買収対象会社の経営陣との関係強化を図ったりしてください。
クロージングちょっと前に、
買収対象会社の重要な取引先やメインバンクに挨拶周りをして、
買収後の、取引関係維持・強化を図ることも極めて有益です。
売り手であれば、
そのまま全力で事業を続けてください。
また引き継ぐものを整理して、スムーズに引き継ぎをできるようにしてください。
契約書は締結したものの、それ通りに進まなかった場合を考えて、
M&Aの契約書には、買収が遅れたときの金額調整の条文が入る事が多いです。
この場合は、大抵、ネットデット(※1)と運転資本(※2)の変動で調整を行います。
※1ネットデット
=有利子負債-現預金
※2運転資本
=(売上債権+棚卸資産+その他流動資産)ー(仕入債務+その他流動負債)
交渉がのびている間に、
買収先の業績が悪化/改善したら、
買収価格が安く/高くなるような内容も組むことができますし、
どちらかだけを選ぶこともできます。
売る側が注意すべきなのは、
期日に、相手先からお金が払われなく、
もう少し待ってくれ、または海外送金云々と言って来るパターンです。
(こちらについては、次回また詳しく書きます)
この場合に、もうすぐ売却をするからと引き継ぎモードに入って、
事業運営を緩めてしまったりすると、売却代金がずっと払われなかった時、大変です。
そのまま事業は今迄通り続けてください。
これは守ってください。
また、相手先と売買契約締結後から支払いまでの間、
事業運営を制限するような条項は、極力、契約書には入れないようにしてください。
買い手側が注意すべきなのは、
のばしてのばされて、相手側が、突然、「別の会社に売る」と言いだした時です。
買収を決断する迄の間に、弁護士費用、会計士費用、交通費、時間、かなりの
コストをかけるでしょう。
それを突然、別の会社に売るからと言われてしまっては大変です!
費用をかけて、監査(デューディリジェンス)を始める際は、
必ず、一定期間、他社への売却交渉および売却の禁止と
それを破った場合の損害賠償条項などをいれてください。
リスクをおさえて、M&Aを活用しましょう。